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無花果の森 [単行本]
小池 真理子 (著)
単行本: 485ページ
出版社: 日本経済新聞出版社 (2011/6/2)


題材が映画監督の妻の逃避行と日経ブッククラブの紹介にあったので、興味も手伝い一気に買ってしまいましたA^^;

でも、一回読んでしまったら、主人公の運命の鍵を握る塚本鉄冶の役割が分かってしまい、二度目の面白さが半減。
もう少し伏線を多くしたら、更にスリリングだったかも。
(それで話が複雑過ぎることはなかったでしょうから)

映画監督の妻だった泉も、どこか無駄に思い悩んでいる箇所も散見されます。
小説で表現される夫の性格や素行はとても口にだして言えないけど、ある特定の人物が浮かんで来ます。(作品の内容はまったくちがうけど)

ゲイバーのマスターのナビで泉と鉄冶が結ばれるラストは心穏やかになるシーンですが、せっかくの個性的な設定なのに月並みの恋愛小説になってしまった感が。厳しいけど登場人物が各々の道を歩む、ビターエンドの結末の方が読み手の成熟を促すかもしれません。



小池真理子さんの小説は、つい買ってしまう魅力に溢れていて、ピンキリはあるものの既読の作品が多いです。
無伴奏/集英社文庫
水の翼/新潮文庫






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ありがとうございます。
『無花果の森』に出てくる場末のゲイバー、懐かしいと思いながら読みました。
かつて街に詳しい友人と足を運んだ店は新宿にあったのですが、場末ではないけど映画関係の来客が多く、「キネマ旬報」を初めて知った店でもあります。
しかも小説のマスターはデヴィッド・リンチのファンですから(作品は限定されるものの自分も好み)、店内BGMで流れる「ブルー・ベルベット」の妖しい雰囲気に浸って読み耽ってました。




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金閣寺 (新潮文庫) [文庫]
三島 由紀夫 (著)


表紙の炎上絵、美しいながらもインパクトがありますね。
震災での火災を思い出す事もあり今回、文字リンクのみにしました。

三島由紀夫文学館HPから 作品紹介
炎がデザイン化された初版本の表紙が、私には親しみやすいように感じます。

本書を最初に読んだ記憶は、かなり以前のものでした。
放火犯の心理をテーマに据えた犯罪小説ではありますが、当時の対人的な悩みが読むことで幾分か救われた思いがしたものです。

最近、三島映画祭上映の告知から、書棚にあった『金閣寺』を読み返しています。
本書を映画化した『炎上』は、先日レンタルDVDを鑑賞しました。今回の上映では観られないかもしれません。

映画と比較して、映画は巨匠による大作ながらも書籍のほうがストーリーに陰影と深みのある印象です。地デジTV購入後の鑑賞でしたがモノクロなので、細部に見づらい部分が多々ありました。

主人公溝口の最期も、護送されて鉄道から飛び降りて死んでしまうところが、大いに不満だったり。若きスター市川雷蔵は、いくら吃音の設定でも生年らしい純粋さが際立つ申し分ないキャラクターでした。

親友の鶴川の台詞も、口調が上滑りして軽くなっていて残念でした。
大学の学友である柏木(映画では戸刈)は、原作通りのシニカルな性格や言葉の鋭さが表現されていたように思います。現在の仲代達矢と同一人物と思えず、若手俳優と代わらぬ秀逸な演技でした。
柏木の障害である内翻足の動きに関して、(本当に不謹慎ですが)どう演ずるか興味深々でしたが、全く本質に迫る巧みな動きのように感じました。

遊郭の女性を演ずる中村玉緒の若かりし姿、見られて予想外の幸運でした。(原作では玉緒さんより蓮っ葉で軽い印象です。)
物語に登場する女性は、当然ながら演じる女優によって左右されるので、
三島の表現する美に叶う人物を体現するのは、いくらベテランでも難しいのかもしれません。

映画での逮捕後の展開はどうも付け足しのようで、やはり、主人公には原作通り、しぶとく生き残っていて欲しかったです。溝口青年は自分にとって極限の美を燃やして父親からの束縛の元も解消する事で、俗に環ったところがあるのでしょうか。


三島映画祭は、角川シネマ有楽町にて6/3まで上映中です。
http://www.kadokawa-cinema.jp/yurakucho/




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ありがとうございます。
本書のあとがきにある、「人と文学」「金閣寺について」「年譜」を今回珍しく熟読しています。購入年である十年前よりも作家個人に興味を持って来ているのかもしれません。三島由紀夫というと、どうしても美輪明宏さんのように華やかな交遊関係に想いが行ってしまいますが、父親が上級公務員で祖父も県知事・官庁長官であったと知ると、また別な見地からオーソドックスな三島像を眺める楽しみも味わえます。


金閣寺 (新潮文庫) [文庫]
三島 由紀夫 (著)


表紙の炎上絵、美しいながらもインパクトがありますね。
震災での火災を思い出す事もあり今回、文字リンクのみにしました。

三島由紀夫文学館HPから 作品紹介
炎がデザイン化された初版本の表紙が、私には親しみやすいように感じます。

本書を最初に読んだ記憶は、かなり以前のものでした。
放火犯の心理をテーマに据えた犯罪小説ではありますが、当時の対人的な悩みが読むことで幾分か救われた思いがしたものです。

最近、三島映画祭上映の告知から、書棚にあった『金閣寺』を読み返しています。
本書を映画化した『炎上』は、先日レンタルDVDを鑑賞しました。今回の上映では観られないかもしれません。

映画と比較して、映画は巨匠による大作ながらも書籍のほうがストーリーに陰影と深みのある印象です。地デジTV購入後の鑑賞でしたがモノクロなので、細部に見づらい部分が多々ありました。

主人公溝口の最期も、護送されて鉄道から飛び降りて死んでしまうところが、大いに不満だったり。若きスター市川雷蔵は、いくら吃音の設定でも生年らしい純粋さが際立つ申し分ないキャラクターでした。

親友の鶴川の台詞も、口調が上滑りして軽くなっていて残念でした。
大学の学友である柏木(映画では戸刈)は、原作通りのシニカルな性格や言葉の鋭さが表現されていたように思います。現在の仲代達矢と同一人物と思えず、若手俳優と代わらぬ秀逸な演技でした。
柏木の障害である内翻足の動きに関して、(本当に不謹慎ですが)どう演ずるか興味深々でしたが、全く本質に迫る巧みな動きのように感じました。

遊郭の女性を演ずる中村玉緒の若かりし姿、見られて予想外の幸運でした。(原作では玉緒さんより蓮っ葉で軽い印象です。)
物語に登場する女性は、当然ながら演じる女優によって左右されるので、
三島の表現する美に叶う人物を体現するのは、いくらベテランでも難しいのかもしれません。

映画での逮捕後の展開はどうも付け足しのようで、やはり、主人公には原作通り、しぶとく生き残っていて欲しかったです。溝口青年は自分にとって極限の美を燃やして父親からの束縛の元も解消する事で、俗に環ったところがあるのでしょうか。


三島映画祭は、角川シネマ有楽町にて6/3まで上映中です。
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本書のあとがきにある、「人と文学」「金閣寺について」「年譜」を今回珍しく熟読しています。購入年である十年前よりも作家個人に興味を持って来ているのかもしれません。三島由紀夫というと、どうしても美輪明宏さんのように華やかな交遊関係に想いが行ってしまいますが、父親が上級公務員で祖父も県知事・官庁長官であったと知ると、また別な見地からオーソドックスな三島像を眺める楽しみも味わえます。




忍者月影抄 (講談社ノベルス・スペシャル―山田風太郎傑作忍法帖) [新書]
山田 風太郎 (著)


新書: 258ページ
出版社: 講談社 (1994/05)

あらすじ:
江戸日本橋の袂で晒し者にされた3人の女の肌に朱書された「公方様御側妾棚ざらえ」の文字。将軍吉宗に赤恥をかかせんとする尾張宗春は、甲賀忍者御土居下組と尾張柳生に密命を下す。対するは江戸柳生と伊賀忍群。幻怪眼を奪う忍法戦。 (Amazonより)

古書サイト登録店より、購入。

くノ一忍法帖(富士見書房)に続き、山田風太郎忍法帖は二冊目(後に柳生忍法帖の上下巻を読了)でしたが、前回の方が真田の命を受けた女忍者達を主人公にストレートに物語に入れ込み易く、対してこちらは通の忍法好みの書かと思います。

伝奇時代小説はまだ読書経験が浅く、忍法や剣術の限りを尽くす場面よりも、女性的な面白さを感じられる部分を先に読み進めました。
忍法埋葬虫、女人花、それに夢若衆と鏡地獄(この二話は、両性愛の傾向がありますね)の話に魅かれました。
埋葬虫の最期は、生きながら腐敗してゆく姿で、何とも無常で寂寥感漂う場面です。小野小町の九相図の絵にも例えられるでしょうか。

もっとも、頁順に権謀術数にワクワクしながら丁々発止と読むのが正統派で、これは邪道でしょうね。





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ありがとうございます。
山田風太郎忍法帖シリーズの映画化作品で、以前掲載した『柳生外伝 くノ一忍法帖』、『魔界転生』以外ではまだ未見で、事前にレビューを読む限り、DVDを借りたいと思える作品に出会っていません。
アニメでも良いので、他時代伝奇物を圧倒する半端でない作品を今後も望みます。









父さんギツネ バンザイ
児童図書館・文学の部屋
ロアルド・ダール/作 田村隆一/訳 米沢万里子/訳
評論社

セブンネットショッピング

Amazon


3月公開映画『ファンタスティック Mr.Fox』の紹介文で本書の題名を知り、古書店から取り寄せて読んでみました。

3人の農夫は、性根が腐って、どうしようもなくみにくい人間達。
父さんギツネをはじめとする、本書に登場する動物たちは、生活のために泥棒はするが、皆愛嬌たっぷりの可愛くていい奴。しかも頭脳戦でははるかに人間どもに勝っている。

その対比が、D・シャフィンの繊細な挿絵に表れていて、これだけでも鑑賞価値が高く、文章の内容も非常に面白かったです。
私がダールなら、最後にかろうじて人間達も救われるところを描きたかったのですが、あくまでも情け容赦なく永久に復讐するつもりなのでしょう。だって、キツネを殺そうとしたんですから当然の事だよ、というシビアな英国人の台詞も聞こえてきそうです。

英文の原作も、児童文学なので易しく読めそうです。(日本人でも、少しはペーパーバックを読まないと!)
Amazonにこちらの感想が多いというのも、嬉しい話です。

ロアルド・ダールの作品は、既知なのが『チャーリーとチョコレート工場』のみ(しかも映画鑑賞のみで、原作は未読)なので、これから一冊ずつ熟読していきたいと思っています。

著者近影と略歴(英文)

ウィキでもどうぞ。



3月19日公開の映画。



監督のウェス・アンダーソン、今までファンになったアーティストや作家にあまりに似ていて、もっとこの人の映画を観てみたい!という想いを起こさせるに充分な人物です。
もし来日するなら、インタビューも期待したいですね。

公式サイト

★映画の広告では、こちらが原作として紹介されています。
すばらしき父さん狐 評論社





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ありがとうございます。
映画サイトで人物像を見る限り、農場主たちの性悪さが原作より薄まっている気がします。原作ではかなりギョッとしました^^;
まぁ、その分エンタテインメントとして楽しんで観られそうかな、とも思いますが…




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