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SF・ファンタジーの大家レイ・ブラッドベリの短編集です。

初版を何度目かの引越しで紛失してしまい、ようやく都内の古書店から相当年季の入った初版を再度入手。
先日、何度めかの読了しました。

詳しい内容は上記リンクを参照願います。

ブラッドベリはまだ代表作はじめ未読作品が多数残ってますが、それらを読破してなお本短編集が記憶に刻まれていることと確信します。


本書で心に残るベスト3編をご紹介。
(残りの短編も名作揃いなので、また別な機会に書きます。)


すばらしき白服

是非老練な映画監督にコメディで撮って欲しい短編。

サイズの合う、さえない男達を集めて、なけなしのお金を出し合い念願の白い夏のスーツを買う。

順番に着ることにしたが、最後の男が行く先で騒動を起こしてしまう。
てっきり男も服もダメになると思いきや、皆の力でスーツ(と男もケガするが)は無事に戻る。

ラテン男達のラフで小気味良い言葉のやりとりから感じられる友情から、
爽やかで心地よい後味が残りました。


刺青の男

ホラー作家より、真性の恐怖味わえる名作。

カーニバルのテント張り職人が、刺青職人のまじない老婆に”ほんものの”刺青をいれてもらう。
老婆から公開を後にするよう止められた部分の絆創膏をはがすと、妻を殺す絵が現れ、妻を傷つけてしまうが、お蔭でサーカスは大繁盛する。

カーニバルの芸人達に殺された男の死後、なにもなかった部分の刺青が変化し...

最後がまじりけなしの恐怖。



万華鏡

表題作。

ロケット事故で遭難した宇宙飛行士が、互いに宇宙空間をちりぢりに離れてゆく間の会話。


S.キングの中編の一部にも、様々な色彩の流星群と運命を共にする仲間の会話に似た内容がありました。覚えていませんがSF映画でも同様のシーンがあるかもしれません。

最後に残った飛行士が、流れ星となって地球に落ちてゆく描写に涙した人は多いでしょう。

永久に記憶の図書館に残る一作。





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ありがとうございます。新刊が数多く発行される昨今、上記のような絶版の古書も再版されてほしいところです。復刊サイトで希望する書籍に投票してますが、以前に書いたJ.G.バラードの絶版もまだのようです。


レイ・ブラッドベリ氏が米国時間6/6に逝去されました。
ご冥福をお祈りいたします。
wikipedia


『刺青の男/ハヤカワ文庫』
新刊で『万華鏡』が入っているのは、こちら↑

中古では、『万華鏡/サンリオSF文庫』です。「日本の古本屋」サイトにもあり。



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現在公開中、近日封切り共にロードショー映画が豊富になってますね。
私は、こんな映画を観たいと思っております。

『Alice In Wonderland』
『月に囚われた男』
『第9地区』
『息もできない』
『川の底からこんにちは』

とりあえず上記を挙げてみました。きっと金返せ〜って言う作品はないでしょう、選択のご参考まで。
GWも含めてどれだけ多くの作品を観れるか...楽しみです。

(2010/05/05 更新)
連休の間、家掃除やら何やら体調低下もあって肝心の劇場映画になかなか行けず残念です。いつも雑文になってしまいますが映画レビュー書きたいですf(^-^;




ゾエトロープ (pop) (Book plus) (単行本)
フランシス・フォード・コッポラ (著), ウィリアム N.伊藤 (翻訳), アドリエンヌ・ブロデュール, サマンサ・シュニー
出版社: 角川書店 (2001/05)
発売日: 2001/05

bizに続き、popを古書店から買い求めました。
どちらかというと、個人的にはbizの方が好きです。
(どうしても内容が理解しづらくて、まだ途中の作品があります)
ゾエトロープ【biz】の記事はこちら

何度か読んだ中で気に入った作品をご紹介。

内部情報 Inside Information ニコラ・バーカー

犯罪歴のある母とお腹の中にいる胎児のシュールかつブラックな会話が展開。
胎児は世界の謎を秘めて霊的機関より派遣されていた。
遥かに知能勝る胎児の、驚くべきラスト。
是非鋭角なCGアニメで(実写は無理?)観たい作品です。


執事によれば What the Butler Said ハヴィエル・マリアス

裕福な若夫婦の屋敷で働いていた、黒魔術を趣味とする執事と、エレベーターに閉じ込められた人物との会話。最初の部分(事件についての説明書き)の書体を変えているのが特徴的。
最後に執事が着用する手袋の色に注目。語った内容との違いにゾッとします。


三人の亭主 Step Men ルチア・ニーヴァイ

交通事故で亡くなった息子の遺体を埋葬しに向かう母と三人の元亭主の話。
亭主のひとりがネイティブアメリカン風の葬儀を行うシーンが、映画的。
『バグダッド・カフェ』を上映しているミニシアターで観たい作品。

もうひとつ、二人の医師が登場する作品(byジム・ルイス)も展開が解り辛く最後がホラーですがおすすめです。



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ありがとうございます。ゾエトロープbizとpopの二巻、古書ではやはり劣化が早いのでぜひとも再販して欲しいところですが、難しいでしょうね。


ゾエトロープ「biz」 (BOOK PLUS) (単行本)

出版社: 角川書店 (2001/03)


この本はネットの知り合いから教えて頂いて、古本データベースの古書店から通販購入しました。

Amazonでは中古本が1円になっているので買いづらい...この価格はどうしてなんだろう。送料除きせめて数百円は払いたいですよね。

最近のアメリカ文学読み慣れないのも手伝って、理解するのにちょっと時間がかかりました。(面白いのは読んですぐに分かるのですが、背景なんかは英国や欧州のそれの方が親しみやすい)

映画に詳しい方は、映画監督フランシス・フォード・コッポラの企画・編集による同名の米季刊小説誌をご存知かと思います。国内ではbizとpopの2冊に分けられて発行されました。今回はそのうちのbizを読みました。

まず、編者コッポラの手になる序文は必読です。

詳しい解説・引用は控えますが、思わず映画ファンの誰かに話したくなる内容なので、写真やイラストが挿入されているであろう元の雑誌も探して読みたくなります。
書き出しにある、公園と庭園に囲まれた夢のスタジオが本当にあって、少数精鋭のスタッフが盛んに映画制作に向けて活動しているのだと実感させます。

本書に収められた短編のうちのマイ・ベスト3:

?ティム・ゴトロー『片腕の女と踊りながら』

初めは、他のサスペンス風の話が勝っていたのですが、読み進めるうちに何度もリピートしたくなる内容なのでNo.1でした。

恋人から製氷所を一時解雇された労働者が、骨休めの旅でヒッチハイクした、片腕をなくした女と同行する話。両者とも自分について語り上手でないところがいいのです。一緒にいてもダンスを共にするのが精一杯の二人が最高。

物語の背景が砂漠だったり緑の少ない場所なので、のどが渇いて水を飲みたくなります。

?ポール・グリナー『ノースウッド』

これはいつか映画化欲しい短編です。読み始め当初一番のお気に入りでした。

母ジョアンと娘アマンダはノースウッドの大学の説明会に向かう。入学事務局のミスター・ステムラーは二人を歓待し、娘を学生のベッキーに紹介する。

ジョアンがステムラーに勧められ、彼の案内でハイキングに出かけると...。

複雑な構造をした『ウィアワーク・ブリッジ』が物語の鍵になっています。確認していませんが、きっと実在の橋なのでしょうね。舞台となるノースウッドの歴史や地理にも興味を惹かれました。

この話、感じよく見目良い人物を信用してはいけない、という警告でもあります。

?サラ・パワーズ『ソフィーとルイズ』

途中から読み出すつむじ曲がりでなければ、最初に載っている短編なのでこの物語を始めに読むでしょう。

菓子職人兼ミュージシャンと女流写真家の夫婦二人がさりげなく三つの嘘を会話に忍ばせ、それに友人夫婦も絡んで物語が展開する、洒落た一編。

主人公の夫婦の魅力が過ぎていてちょっと御伽噺のようだなと思ったのですが、映画の原作ではそれもありなのかな。ハッピーエンドですし。


この他にもサイコミステリー風や、ラストの70年代を思わせる日記も面白かったです。古書店で見つけたら、ぜひご一読を。







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ありがとうございます。その後検索して調べたら、ゾエトロープは【biz】と【pop】に加え、2003年に【noir】【blanc】も角川書店から出版されています。興味ある方はAmazon、古書店で探してみてください(^-^)ノ
2月14日に逝去された、SF翻訳家浅倉久志氏。
映画「ブレードランナー」の原作『アンドロイドは電気羊の夢をみるか?』の翻訳で最も著名な方でした。

ハヤカワ・オンラインの追悼文
東京創元社の追悼文

SFを主に海外文学の翻訳や海外メディア・文化の紹介に偉大な功績を残された方でした。心から、ご冥福をお祈りいたします。

マイ本棚の既読書は惜しいかな、彼の翻訳書はまだ少ないです。その中で、昔の日記にもちょこっと書いたヴァーミリオン・サンズ/JGバラード著は、家族にも呆れられるくらい読み捲くった本でした。こちらはいまだに再販なしなので、初版は相当古びています。

その他、猫に関する海外文学アンソロジーの中の一編も印象深い作品でした。
扶桑ミステリー文庫『魔法の猫』に併載されています。猫好きな方は必読。


未読のうちこれから購入希望の本をいくつか。

浅倉久志『ぼくがカンガルーに出会ったころ』国書刊行会、2006年
ユ−モア・スケッチ傑作展』(1)〜(3) 早川書房、1978年 - 1983年 → 再構成されて『エンサイクロペディア国の恋』『忘れられたバッハ』(ハヤカワ文庫、1991年)として再刊。(ウィキペディアより)

ユーモア物を愛好し、自ら編集、翻訳を手がけておられた浅倉氏。SFだけでなく様々な分野で才能を発揮しておられたのだなと、いまさらながらその業績に感嘆した次第です。彼に続く名翻訳家がひとりでも多く輩出されるよう願っています。



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ありがとうございます。既知の作品よりも、作家や翻訳家の方が逝去されて、改めて調べて知る名著がたくさんあることがよく分かった日でした。


  自由戀愛/岩井志麻子著 中公文庫


以前購入してしばらく本棚にあった文庫本ですが、最近再読しています。
2005年にはWOWWOWでドラマ化されました。現在DVDになっています。

岩井志麻子さんの著書は、『ぼっけえ、きょうてえ』で驚愕の読者デビューを果たしました。岡山の方言を生かした遊郭の怪談が強烈に脳の記憶領域に刻まれています。
あまりに内容が恐ろしいので、古本屋に売ってしまったのが非常に惜しかったのです。が、また読みたくなりました。本著を読んでからは、こちらも以前より内容が理解できそうな気がします。

物語:

時は大正の頃、同じ女学校を出た華やかで明るい明子と地味で控えめな清子。
明子は夫と穏やかで安定した結婚生活を送るが、実家に貧しく暮らす出戻りの清子に同情し声を掛け、彼女は夫の会社の事務員として採用されます。


不倫という昼ドラのテーマになりそうな内容ながら、大正時代の華やかで粋でモダンな風俗を織り交ぜた描写に思わず熱心に読み進んでしまいました。決して刺激だけの安っぽい展開にならないのが岩井志麻子さんの作品らしいです。

明子と清子がお互い(夫や周囲の人間も含めて)責め苛み、妬みの果て、泥沼の状況で終わると思いきや、ラストは明子が再婚相手と登場する、旧き良き洋画か舞台のような風景が出現します。解説で文芸評論家の斎藤美奈子氏が書いていますが、登場人物が演技感ある語り物の文体で浄瑠璃の世界のようです。

子供と家出した清子の歩みが生来の勝気な気性を発揮して誰にも頼らず、我が人生の参考にもなりそうだと思いました。彼女がもう少し弱気な女性だったなら、真面目に事務員を続けていて、明子の夫との関係はなかったかもしれません。

物語が終わった後も、清子が澄んだ瞳の息子と、酒屋の二階で気丈に生活していく様子がみえるようです。明子も元夫の優一郎も自分の力で歩んでいくのでしょう。

この本で俄然興味を覚えた岩井志麻子さん、その著作を更に深く読んでいきたいと思っています。





自由戀愛 [DVD]
出演: 長谷川京子, 木村佳乃,豊川悦司 監督: 原田眞人

TVドラマデータベース
http://www.tvdrama-db.com/drama_info/p/id-38090

原作に忠実に作られたドラマ。
こちらも是非見てみたいです。



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ありがとうございます(^.^)物入れや本棚を整理したら、まだまだ再読の価値ある本が出て来たので、これからもじっくり傾読していこうと思っています。







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Kuroneko Tsuusin
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