こだわりの映像作品(DVD、劇場映画、TV等)についての感想や日常雑記です。
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自由戀愛/岩井志麻子著 中公文庫
以前購入してしばらく本棚にあった文庫本ですが、最近再読しています。
2005年にはWOWWOWでドラマ化されました。現在DVDになっています。
岩井志麻子さんの著書は、『ぼっけえ、きょうてえ』で驚愕の読者デビューを果たしました。岡山の方言を生かした遊郭の怪談が強烈に脳の記憶領域に刻まれています。
あまりに内容が恐ろしいので、古本屋に売ってしまったのが非常に惜しかったのです。が、また読みたくなりました。本著を読んでからは、こちらも以前より内容が理解できそうな気がします。
物語:
時は大正の頃、同じ女学校を出た華やかで明るい明子と地味で控えめな清子。
明子は夫と穏やかで安定した結婚生活を送るが、実家に貧しく暮らす出戻りの清子に同情し声を掛け、彼女は夫の会社の事務員として採用されます。
不倫という昼ドラのテーマになりそうな内容ながら、大正時代の華やかで粋でモダンな風俗を織り交ぜた描写に思わず熱心に読み進んでしまいました。決して刺激だけの安っぽい展開にならないのが岩井志麻子さんの作品らしいです。
明子と清子がお互い(夫や周囲の人間も含めて)責め苛み、妬みの果て、泥沼の状況で終わると思いきや、ラストは明子が再婚相手と登場する、旧き良き洋画か舞台のような風景が出現します。解説で文芸評論家の斎藤美奈子氏が書いていますが、登場人物が演技感ある語り物の文体で浄瑠璃の世界のようです。
子供と家出した清子の歩みが生来の勝気な気性を発揮して誰にも頼らず、我が人生の参考にもなりそうだと思いました。彼女がもう少し弱気な女性だったなら、真面目に事務員を続けていて、明子の夫との関係はなかったかもしれません。
物語が終わった後も、清子が澄んだ瞳の息子と、酒屋の二階で気丈に生活していく様子がみえるようです。明子も元夫の優一郎も自分の力で歩んでいくのでしょう。
この本で俄然興味を覚えた岩井志麻子さん、その著作を更に深く読んでいきたいと思っています。

自由戀愛 [DVD]
出演: 長谷川京子, 木村佳乃,豊川悦司 監督: 原田眞人
TVドラマデータベース
http://www.tvdrama-db.com/drama_info/p/id-38090
原作に忠実に作られたドラマ。
こちらも是非見てみたいです。
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ありがとうございます(^.^)物入れや本棚を整理したら、まだまだ再読の価値ある本が出て来たので、これからもじっくり傾読していこうと思っています。
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