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ゾエトロープ blanc (BOOK PLUS) [単行本]
フランシス・フォード コッポラ (著), アドリエンヌ ブロデュール (編集), サマンサ シュニー (編集), Francis Ford Coppola (原著), 小原 亜美 (翻訳)
出版社: 角川書店 (2003/12)
発売日: 2003/12
映画監督フランシス・フォード・コッポラの米文芸誌「ゾエトロープ・オールストーリー」の邦訳短編集の第4弾。
この【blanc】において、第1段の【biz】よりも短いものの、監督による序文が掲載されているのが何よりも嬉しいです。
またその中で短編の重要性を、監督から作家に伝えていることも。
また本作と同様の質の高い文芸誌やアンソロジーが国内外で数多く出版されるように願っています。
これまでの短編集のように、印象に残った作品を幾つか挙げます。
読書の上での参考になれば、幸いです。
○オガララ Ogallala/リック・バス Rick Bass 作
短編より少し長めの作品。
両親と、その手塩にかけた畜牛と牧草地を、勉学のために離れた青年。
現在はオレゴンで製材組合の業務に就いている。
青年に代わり不法滞在の少年が、青年の老いた父親を支えて牧畜を引き継いで行く。
彼らが抱える牧場への複雑な想いと、彼方へ去りゆく貴重なオガララ帯水層の盛衰が、手元まで伝わるような小説。
日本の一般的な牧畜から想像される、広大な牧草地で牛がのんびりと草を食むイメージとはかけ離れた、米国ならではの様々な苦労をしのばせる個所がありました。
○'O Λoγos('O Logos)/T.E.ホルト
奇妙な痣のような印をつけた少女が病院に運ばれてきた
母親いわく、少女は新聞で遊んでいたという。
少女は三日後にその身体に綴られた言葉を発すると、死亡した。
その症状は次第に周囲に拡張されてゆく。
言葉が触媒となって病気を誘発する、たとえようのない恐怖を表した作品。
何度も読み込まないと理解できない話でした。
聖書の創世記にある、『はじめに言葉ありき』を連想させます。
本当にこのような病気が現実になったら、防ぎようがないですね。
○垣根の穴居人 The Cavemen in the Hedges/ステイシー・リヒター Stacey Richter
奇想天外な物語なのに、何度も読める作品でした。
突然現れた穴居人は、ネアンデルタール人に近似のルックス。しかもバービー人形や、可愛いプラスティック製品大好き。ここがツボに入りました。
若い頃パンクロッカーであった、30代のカップルが穴居人騒動に巻き込まれます。
穴居人のお陰で、主人公の彼は彼女の素晴らしさに気付くが、すでに遅し。
本作は、SFながらストーリーのわかりやすさで、【blanc】の中でも、最も集客が望める映画になりやすい作品でしょう。
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ありがとうございます。
ゾエトロープ短編集は、並べてみると、最も【biz】が構成や内容もいいですね。
ネット評だと、最近の二冊【noir】と【blanc】が人気あるようです。
コッポラ監督程の企画力でないと、おそらくこのレベルまで出せなかったでしょう。
邦人監督でもひとつ、洒落た作品群を望みたいものです。
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