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世界怪談名作集〈上〉 (河出文庫) (文庫)
岡本 綺堂 (翻訳)

SNS友人の自宅図書館の膨大な蔵書からお借りした数冊の本のうち、昭和62年の旧版でしたが、この上下巻が最も満足できました。

岡本綺堂は『半七捕物帳』をはじめとする時代小説を主な著作とする作家なので、いわゆる翻訳家の手になる文章よりちょっと文体が独特なのですが(Amazonレビューにもあるように)、それが彼らしい文章の持ち味になっています。


それでは印象に残った上巻の三作品を。

貸家/リットン

化け物屋敷の恐怖。
正体は、化学機械による仕掛け?と呪いか。
それにしても中盤の怖さは本物。
肖像画の男の正体も、もっと知りたい。


クラリモンド/ゴーチェ

死せる美女の怪異譚。
同種奇談は数多いが、若き僧を魅了する女性の稀なる容姿。
僧侶は師の助言により救われたが、果たしてそれで幸せだったのか。


信号手/ディケンズ

以前ブログでも紹介した『イギリス幻想文学必携』に掲載の物語。
この本で偶然読めて幸いでした。
孤独な信号手が発した言葉と動作、わたしと機関手の言葉と動作の奇妙な暗合。
上下巻中、これが最も怖いと思う話。




世界怪談名作集〈下〉 (河出文庫) (文庫)
岡本 綺堂 (翻訳)


同様に下巻の三作品も。

北極星号の船長/ドイル

氷に閉ざされた北極の海で立往生する船。
幻影を追いかけて行った船長の死。
後に、主人公の父による附記に真相が。

上床(アッパーパース)/クラウフォード

こちらも船の中の事件が題材。
えたいのしれない物は、海中に存在するのか。
読んだ後、二段以上の寝台できっと眠れないだろう。


ラザルス/アンドレーフ

聖書のラザロから題材を取っている物語。
墓から甦った、死者の表現が緻密で素晴らしい。
ラザルスの恐怖に勝った皇帝は、彼を殺せなかった。


下巻は何故か、海における怪談が二編入ってます。
若い頃船員であった亡父が存命中に読んで興味を惹かれ、その内容について一緒に話し合った物語(夜の声/W.ホジソン)を思い出しました。





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ありがとうございます。他にも同時に借りたのになかなか読み進めない本があり、この種のタイプは苦手と確信しました(おもにコメディSF)。色んな作品を読んでみたものの、私にとっては、やはりゴシック小説や怪談が一番です。





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