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裏庭 (新潮文庫) [文庫]
梨木 香歩 (著)

文庫: 412ページ
出版社: 新潮社 (2000/12)
発売日: 2000/12

ストーリー(Amazonより)

昔、英国人一家の別荘だった、今では荒れ放題の洋館。高い塀で囲まれた洋館の庭は、近所の子供たちにとって絶好の遊び場だ。その庭に、苦すぎる想い出があり、塀の穴をくぐらなくなって久しい少女、照美は、ある出来事がきっかけとなって、洋館の秘密の「裏庭」へと入りこみ、声を聞いた―教えよう、君に、と。少女の孤独な魂は、こうして冒険の旅に出た。少女自身に出会う旅に。


『りかさん』に続き、ご紹介する、
梨木香歩さんの作品。

西洋の民話と日本の昔話をベースにしています。
子供向けのようでいて、大人の方が入っていけそうな(それでも根気がいる)重く、深い内容なので、何度も読み込まないと、理解しにくい所があります。
主人公である照美や家族の現実と、バーンズ屋敷の大鏡から入る裏庭の世界を、文体を変えて綴っているのが特徴的です。

頭に片割れの珠をしまっているというテナシ、他の物語にも類似の人物をみかけたことがあります。
ちょっと怖い話だったような..
テナシはテナシのままではなく(そうであればいたたまれないですが)、後半に銀の手になるのが、救いです。映画にするなら、ここは映像化したい場面ですね。

『指輪物語』も探求、克服する物語ですが、ゲームのように純粋に異世界を楽しめる部分がありました。『裏庭』は、なかなかのんびりとぶらぶら歩きができない世界で、常に困難を克服する努力が必要です。それだけに、物語の終盤は、照美をはじめ家族など主な登場人物はそれまでの弱く、凡庸な姿から心身がかなり変化しているなと思います。

『裏庭』読了後、むかし親戚の叔母さんの家があった、横浜の山手周辺を思い出しました。(場所が曖昧なので、済みません)
外国人の邸宅が数軒周囲にあって、明るい髪色の子供が遊んでました。
本作のバーンズ屋敷同様に、この情景、なつかしいです。


まだ未読の方に、本書に似ていると(個人的に)思う小説、ミヒャエル・エンデの『鏡の中の鏡』もお薦めです。
本書よりもっと分かりづらく重たい話ですが、一度読んでみて欲しいです。




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ありがとうございます。梨木さんの作品は、西洋風の児童文学がよく知られていますが、私は『りかさん』『家守綺譚』等の、日常や和を尊ぶ作品に惹かれます。自分自身は不思議探求や冒険が譚好きだと思っていますが、実は普段とあまり変わらない日常か、あるいは少しだけ異なる世界が好きなのでしょうか。



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