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撮影監督・映画監督であったジャック・カーディフ氏が亡くなってからこの本が書かれていたことを知り、長い間Amazonのカートに登録していました。ハードカバーの単行本なのでやはり2,000円以上だと躊躇しますが思い切って購入して大満足の一冊です。

前書きを彼の映画をこよなく愛する映画監督マーティン・スコセッシが書いています。これも短いですが自身の映画体験とも重ねて書かれていて貴重な文章ではないかと思います。


本書のタイトルのマジック・アワーとは、空が真っ暗になる前のわずかな数分を意味するそうです。その瞬間消え去る前の陽光によって露出不足になり、深い青に見える映像が得られるそうです。

本文前のこの著者のひとことだけでもあぁこの本を買ってよかったなと思いました。私のBlogタイトルの一部、Cyaan(シアン)も青みを補整する写真用語(昔の用語なので現在使うかは不明)からつけているので映像や写真の青色に特に興味を惹かれます。


まずカーディフ氏のスタートは旅芸人の家族との仕事を兼ねた生活から始まります。幼少から少年期に体験した様々な土地での舞台が後に映画で才能を発揮する基礎になっていたのでしょう。映画界に入ってからの活躍は撮影スタッフとしてはあまりに多彩でまるで冒険譚さながらです。


恥ずかしながらカーディフ氏の手がけた映画はどれも未見なのですが、有名俳優や監督や製作関係者等との濃密で華麗な交流の記述を読んでいると、その映画を既に観ているような感覚に陥り、自然と昂揚する感情がわきあがって来ます。これが映画のメイキングビデオならさらっと流して見てしまうところですが、文章だと特に強い印象を与えます。


カーディフ氏がM.モンローの写真を撮るのに彼女の前に配置したガラスにワセリンを塗るという記述がありますが、先頃講演会で購入した木村大作監督の著書のなかにも、幻想的な効果をだすためにカメラにオイルを塗る撮影場面が出てきます。洋邦の撮影の大家が同じ技術を駆使していたと知り、思わず嬉しくなりました。カメラの撮影技術には門外漢なので広く普及しているテクニックなのでしょうね。


私は、女優や俳優に接することができるスタッフ、特にメイクアップアーティストや撮影隊というのは彼らと言葉にし難い特別な関係を結べるのではと思っています。ちょっと羨ましくもねたましいような気持です。控えめに書かれていますが、カーディフ氏も世界的な女優達との華麗で熱い交歓の記述があります。


もう2,3回本書を読んでいますがまだ十分カーディフ氏の映画史について理解しているとはいえないので、これからも何度も読み返してじっくり味わいたいと思っています。


仕事で映画に関わる方はもちろん、旧き良き洋画全般に興味のある方に本書「MAGIC HOUR - THE LIFE OF A CAMERAMAN」をお薦めします。

MAGIC HOUR―THE LIFE OF A CAMERAMAN (単行本)
ジャック カーディフ 著 岡田 敦子 訳 愛育社



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